ガラスって電気を通すのでしょうか?

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ガラスは通常は電気を通しません。蛍光灯に触れて感電したことはないはずです。また、インテリアなどで手を触れると小さな稲妻が手の方向に伸びてくるといったものがありますが、それで感電したというのも聞いたことがありません。ただしガラスを溶かすことで電気を流すことが出来ます。なぜ溶かすと電気が流れるかというと、ほとんどのガラスはケイ酸塩でできており、溶かすことでイオンに電離します。溶けてイオンになったことでその自由度が大きくなり、電子を電極から電極へ運ぶことが出来るようになる為電気が流れるというわけです。

では、融解などといった特殊な状態を除けば電気を流すことは無理なのかといえば、溶けていなくても電気が流れるガラスは存在します。バナジウムと呼ばれるレアメタルを原料としたガラスで、伝導性は半導体と同程度あります。また、バナジウムのガラスは熱を加えることでさらに伝導性があがることがわかり、熱を加える条件によって伝導性がコントロール出来ればその活用法は広がることでしょう。更にバナジウムのガラスを利用し太陽光による発電・蓄電が研究されていて、このまま研究が進めば大きな発電所に依存しないで家庭用電池による非常にエコな生活が実現するのではないかと注目されています。